そうすると、ノルウェーでは、人口あたりの訴訟件数は日本の半分しかないことが分かったのである。では、ノルウェーに何があるのかを調べたところ、ノルウェーでは、各市町村毎に少なくとも一つの調停委員会が置かれており、民事裁判を提起するためには、まず、調停委員会にかけなければならないという規定があり、調停にかけないでいきなり裁判を提起しても受理されない。そして、この調停委員会においては、弁護士などの法律家は調停委員になれないし、当事者も弁護士を伴って出席することも禁じられているのである。すなわち、ここでは、法律という枠組みにとらわれないで、市町村の伝統的な連帯意識、ゲルマン民族の慣習そして将来の人間関係という要素を考慮しながら、紛争を解決する仕組みが存在し、ここで紛争の約半分以上が解決されているのである。ノルウェーには、刑事事件についても、軽微な事件については、被害者と加害者が損害補償に合意した場合には、起訴しないという仲裁委員会というものが、市町村毎に置かれており、これによって起訴される犯罪件数が抑制されているという事情がある。